桜庭あさみのつぶやき

桜庭あさみの漫画のお仕事や、日常のつぶやき日記です.

◆桜庭あさみのつぶやき◆  漫画家の桜庭あさみの日常や漫画の制作、お仕事などつぶやきます

投稿作品の出版社への持ち込みの心構え

>

漫画家としてデビューする方法は、電子書籍の発展のおかげでかなり広がっており、何がチャンスになるかわからない世の中です。

 

それで王道で出版社に持ち込みをされる方への心構えや、やったほうがいい方法を書いておきます。

 

原稿を完成させてからのお話です。

 

①持ち込む出版社を選ぶ心得

どの雑誌に持ち込むか悩むときは、自分の部屋を見て、どの雑誌が多いか確認しましょう。

いつもよく買っている雑誌の出版社に、まず持ち込んでください。

投稿をすると決めてから買った雑誌は、除外です。

 

雑誌を買っていなければ、単行本のよく買っているジャンルを見極めてください。

 

雑誌によって、かなり固定の方向性や読者対象があり、自分が持ち込もうと思っていた雑誌とデビューできる雑誌の違いがあります。

 

それから別の雑誌に数社持ち込んでください。

担当さんがつかない限り、同じ作品を数社持ち込んでください。

 

②出版社に直接持ち込むメリット、デメリット

●メリット

直接の批評が詳しく聞ける。
表に出されないその雑誌の本当の方向性や、求める漫画がはっきりわかる。

賞にはいらなくても、担当さんになってくれ、投稿作品のプロットやネームを見てくれる可能性があります。

 

●デメリット

作品をみてくれる担当さんのあたり、はずれがあり、その日見てくれた編集の人が担当になる。

運よく熱心な上役の担当さんにあたればいいのですが、本当に運しだいです。

 

その点投稿のほうが、いい担当さんがつく可能性が高いです。

 

③持ち込む時期

GW進行、お盆進行、年末進行と長期休みが入る前後はとにかく忙しいので、その時期と、雑誌の入稿直前もやめておいたほうがいいです。

 

④編集部の人と話す前の準備

作品を完成させていることは絶対です。

持ち込む雑誌は読んで、「どの漫画家さんのどの作品が好きだ」は言えるようにしましょう。

 

持っていくのは、批評を書くメモ帳と筆記用具。

 

⑤持ち込む雑誌への電話

作品を見てくれる担当さんの名前は、必ず聞いておく。

たいていは電話に出てくれた人になります。

 

⑥持ち込む寸前の覚悟

 「編集部の担当さんは、漫画の神様ではない」と頭の中でまず思い、どんなひどいことを言われようが、「ここの編集部の担当さんは、そういう人なのだ」と割り切る覚悟が必要です。

同じ編集部でも、担当さんによりかなり考え方も性格も違います。

人間なので^^

 

⑦当日の注意

約束の5~10分前には、出版社へ到着しておく。

担当さんからの批評は嫌なことでも、担当の目の前でメモ帳に書き込む(書き込んでいるように見せる)

 

質問はどんどんしていいですが、批評に対しての反発、言い訳は無意味です。

「それは、実はこういうつもりで書きました」などの「~のつもり」発言は、マイナスです。

 

最後担当さんが名刺を出さなくても、自分の作品がよくなる批評をしてくださり、熱心そうな担当さんだったら、自分から

 

名刺をいただけませんか?

 

は、言ってください。

 

専門学校で出張編集部で作品を見にきた担当さんが、最後の全体の講評で

「プロになりたいなら、名刺を差し出されなくても、名刺をください!というガッツがほしい

と言われていました。

 

投稿作品を預かると言われたら

賞に必ず入る保証をしてくださるなら、預けてかまいませんが、できれば同じ作品で他社の批評と比べる必要があるので、賞に入る保証がなければ

いわれたご批評で修正をしたいので、持ち帰らせてください

と言えば、角がたちません。

 

どんどん同じ作品を他の出版社に持ち込んでください。

 

担当さんから名刺をもらっても、「本当の担当ではありません」

プロット、ネームを見てくださるのが本当の担当です。

デビュー直前だと下描きから、チェックが入ります。

 

プロット、ネームを見てくださっても、その返事がよほどの理由がない場合2週間以上かかる場合は、やる気のない担当さんです。

本当に忙しい担当さんもいるので、2週間たったら、催促のメールでも出しましょう。

それでもだめなら、「もともと担当さんではなかった」と思った方が無駄がないです。

 

⑩めでたく担当さんつき、デビューする前まで

大体担当さんがついたら、少女、少年漫画は早くて1,2年間でデビューします。

作品を定期的に上げて投稿しても、3年以上デビューできない場合は、担当さんを変更することはできないので、いったんその雑誌のデビューはあきらめてください。

 

そして嫌になるほど、プロットやネームの描きなおしはあります。

ここでプロットやネーム力がつくので、必死に担当さんについていってください。

 

 

出版社への持ち込みやデビューは、こんな流れです。

 

持ち込みは上記にあげたように、けっこうデメリットは多いので、私的には4か月に1回ある同人誌即売会コミティアに出版社の出張編集部がきますので、1日でいろいろな出版社を回れるので、おススメです。

 

コミティアの出張編集部で、担当さんがついてデビューした専門学校の生徒さんがけっこういて、漫画家さんでもお仕事をもらいに行ったりしています。

 

その回により、参加している出版社が微妙に違うので、事前確認が必要です。

 

Twitterのフォロワーさんが、最近持ち込みをしてかなりコテンパンな批評をされて、落ち込んでいらっしゃったのでTwitterの短い文では説明が足りず、ブログにまとめさせていただきました。

 

番外で

⑪持ちこむ年齢

少年誌や少女誌の出版社としては、まだ何も固まってない若い方で伸びしろがある方、読者に近い年齢の投稿者を好むことは間違いはなく、夜間の専門学校の生徒さん達には

「年齢はサバをよんだほうがいい」とは、言っていました。

 

でも今は年齢に関係なくTwitterSNSで、定期的に漫画をあげて、デビューをされる方も多くなっております。

 

漫画を描き続けて、画力があったり、SNSでフォロワーさんがめちゃくちゃ多かったりしたら、年齢は関係ありません。

 

ただぷっつりやめてから、再び描きだされる方は、前描いた経験値がきえてしまい

一からのスタートなので、かなり描く量を増やして今投稿してデビューされる方に追いつかないとなりません。

 

年齢を言われなくなるためには、描き続けて画力アップと何か作品で光るものを出すことです。

定期的に作品をあげていき、月にP30が1本上げられるようなる体力や、時間のやりくりも必要です。

 

投稿のペースは、三ヶ月に1回がベストですが、まずは半年1本を目指しましょう。

1年1本は遅めで、制作期間が長過ぎて、絵柄も変わってきて、お話もグダグダになりやすく新鮮度が下がり、

かえって良い作品ができる可能性が低くなります……。

 

 

最初は難しいと思うかもしれませんが、漫画は描けば描くほどリズムができて速くはなるので、案外とふっとできるようになったりします。

クリップスタジオのソフトの操作を極めるだけでも、かなり早くなります。

 

私も教師になって5年たってから、夏休みに東京に来て出版社に持ち込みをし始めて、けんもほろろな扱いをたくさん受けました。

 

でもデビューが1社決まるころは、大手で賞をいただいたり、大手出版社も含めて一度に5社担当がいました。

私が28歳の時でした。

なのでデビューは、大変遅めです。

 

どうか漫画家目指して、出版社に持ち込まれる方、がんばられてください。

 

うちに今まできたアシスタントさんでプロデビューされたのは5名、専門学校でも何名もの生徒さんが賞にはいったり、デビューをしています。

 

講師として賞にいれて、担当さんがつくまでの指導は楽だったのですが、それからがデビューが本当に大変です。

デビューしてから、漫画家で生活していくのは、もっと大変ですが^^;

 

描き続ければ、きっと道は開けます。