20話は、19話のラストで高い身分の唐人「林劉邦(りん りゅうほう)」が客になり、うまくいったものと思っていた主人公碧羽ですが、一晩共にした翌朝に、無理難題を言われてしまいます。
それを解決する回です。
唐人屋敷も出島も、一泊して翌朝丸山遊郭に戻るのが基本ですが、客の要望があれば何泊でも、滞在することは可能です。
滞在期日を遊女は決めることができず、どんな嫌な客でも一晩床を共にしたら、断ることができません。
唐人が唐人屋敷に滞在する期間は、持ってきた荷物が売りさばけるか、目的の品が手に入るかなどで、その板主(船の持ち主)の都合で微妙に変わるのですが、基本3か月程度です。
滞在する間、屋敷を賃貸しているので賃貸料、食費、生活費、雇った唐人の給料も支払わなくてはならず、滞在するだけでお金はかなりかかるので、3か月前後が限界のようです。
それに清国から持ってきたものだけでは足りないので、唐人屋敷内の二の門広場前の市場で必要なものを日本人から買うのですが、唐人屋敷の外の長崎で売っている物の倍以上の価格でとっても高いのです。
そのため1年も唐人屋敷に滞在できる林劉邦が、いかに大金持ちかという設定がわかるエピソードです。
丸山遊郭では営業時間に間に合えば、いろいろな理由をつけて、外出ができる丸山遊女ですが、林劉邦の性格と出たり、入ったりする時間がほぼ決められ、出入りのチェックは厳しいので、唐人屋敷からなかなか出られないピンチに陥ります。
1年も出られないので、協力している役人の乙矢、そして幼馴染の丈吉の関係もかわってきて、見せ場のシーンが多い20話です。
作者の私がとっても楽しく描いた回です^^
そして意外な解決法で、解決しています^^
「丸山遊女~復讐の蕾~」遊郭漫画なのですが、鎖国時代に阿蘭陀人と唐人の異人を相手にするので、遊女の悲哀もあるのですが、事件に巻き込まれたり、他の遊郭では起こらない問題が多いので、男女間のドロドロエピソードは本当に少なく、遊郭漫画として期待をされて読まれる読者様の予想に反する漫画です^^;
長崎弁も聞きなれていらっしゃない方が多く、完璧な長崎弁にはしていなかったのですが、ここまで「読みにくい」とレビューやコメントされるとは、作者の私が想像できませんでした^^;
20話は作者の私が大変おススメな回です。
まだ単行本版も、まんが王国だけでしか配信をされておりませんので、どうかよろしくお願いをいたします。
たぶんこの20話までが4巻となると思うので、急ぎ4巻表紙カラーも描きます。