桜庭あさみのつぶやき

桜庭あさみの漫画のお仕事や、日常のつぶやき日記です.

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在宅デジタル作業のススメ①

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新型コロナウィルスの影響で、アシスタントさんを呼べなくなった漫画家様たちに少しでもお役に立てばと思い、少しずつですがブログでまとめを書きます。

 

説明はたぶん今からはじめるという方で、液晶タブレットなどで線画を描かれたことがないデジタルに不慣れな方用のためです。

 

本当であればアシスタントさんに、1名でもデジタルでの作業が慣れている方がいらっしゃって、そばで教えていただくのが理想です。

 

でもこの状況では、それも無理なので在宅デジタルを考えていらっしゃる漫画家さんは多いと思いますので、本当に初めて在宅デジタルを進める方用に書きます。

 

デジタルコミックのススメではありません。

あくまでもアシスタントさんとの在宅システムの説明です。

 

■在宅デジタルの利点

・自宅にアシスタントさんを呼ばなくても、作業を進めてもらえる。

・アシスタントさんの交通費、飲食代がなくなります。

・アシスタントさんも、先生のところに通う交通時間の短縮ができ、その分作業時間に回せます。

・ずっとアシスタントさんと顔を突き合わせて、時間を合わせて作業をする必要はありません。(それぞれ好みはあられると思いますが、今回の新型コロナウィルスにはベストの対処法です。)

 

■在宅デジタルの欠点

・周辺機器をそろえるのに、最初にかなりお金がかかる。

・デジタルソフトの操作を一通り、覚える必要がある。

 ソフトのおすすめは、クリップスタジオEX。

 (最低スキャンのやり方は、覚える必要がある)

・いいスキャナーでないと、原稿スキャンにめちゃくちゃ時間がかかる。

・在宅のアシスタントさんが不足気味で、新しいアシスタントさんを見つけるのには、コツや時間がかかります。(不足の理由はいろいろあり、それはまた別に説明します)

・今までそばにいたアシスタントさんに口で説明できたことが、原稿にかなり説明を書き込む時間や、スカイプ、ラインでの説明の時間など、今まで時間がかかっていないところに時間がかかる。

 

 

■進め方

①原稿のスキャン(カラー、解像度600dpi)

本当はグレーなのですが、トーンや背景の指定などを黒とは違う、水色、緑色でこの時点で書いておいて、スキャンを1回ですませる。

くれぐれもグレーの鉛筆の下描きの線が混ざらないように、念入りに消しゴムをかけてから、指定をいれる。

 

②線画補正

 ここでモノクロの線画と、色付きの指定が分類できます(この説明は、また後程)

 

③枠線を引く

スキャン時にどうしてもまっすぐにスキャンできないので、スキャン時には枠線は指定と同じ水色、緑色にしておいて、デジタルソフトで線を引いたほうが、間違いなくきれいで楽です。

ちなみにフキダシ貼りもすごく簡単なのですが、とりあえず枠線だけでもソフトで引くのがおすすめです。

 

④貼り込み背景や、特殊なトーンはおおまかに貼ってあげておくとベストですが、③までの作業でアシスタントさんには送れます。

 

⑤送ってからスカイプ、ラインで、質問に答えたり、説明をしたりする。

 

⑥戻ってきた原稿を印刷で出してみて、チェックをする

インクジェットプリンターは×、レーザープリンターでないとだめです)

 

⑦修正があったら、印刷した紙に修正を書いてもう1度スキャンをしておくるか、ちょっとだけの場合、スカイプ、ラインなどのチャットで打ち込むか、戻ってきたデータにテキストで打ち、SSをとってスカイプ、ラインに貼りつける。

 

 

このような感じです。

デジタルをまったくやられていない方は、わからない単語も多いと思います。

 

本当に一番楽なのは、今まで通ってくださったアシスタントさんがそのまま在宅アシスタントになってくださり、スキャンした原稿を送れば②からは全部そのあとはやってくださるのがベストです。

 

それができれば、本当に楽ちんな在宅システムができます。

 

経済的になかなかそれはできない方は多いと思うのと、通いの方で在宅アシスタントもできる方は希少です。

やはりデジタルコミックに、拒否反応を起こすアシスタントさんもいます。

 

デジタルで作業している方も、クリップスタジオの前衛のソフトのコミスタがかなり使いやすかったので、まだクリップスタジオになれていないアシスタントさんも大勢います。

 

なのでアナログでの通い作業から、急に全部在宅にするのはかなり大変だということです。

 

原稿を宅配で送るという手もあるのですが、連載をされていて締め切りに追われる先生がたは、その時間もおしいはずです。

 

Skypeなどで、ソフトの説明をマイクでしてくださる方もいますので、この時期はまずはクリップスタジオのオンラインで講座を受けたりすることをおススメいたします。

 

 

本を読んですぐ覚えられる方は非常にすくないです。

他の方が操作をしているところを見るだけでも、かなり違います。

 

こんな大変な在宅システムなのですが、いったんシステムを作ってしまえば、デジタルコミックの良さは発揮でき、いつまで続くかわからない新型コロナウィルスの影響でアシスタントさんを呼ぶことができないような状況がまた来たときに、お役にたつのではないでしょうか。

 

時間があるときに、ちょっとずつこの在宅デジタルのススメは書いていければいいなと思います。

期待せずにお待ちください^^;